自動運転技術の実用化は google にどれくらいの潜在的価値があるのか

勝手に推測してみた。

運輸業

まず、自動運転と地理情報システム、お得意のデータマイニングによる最適化技術でトラック運送業(日本国内だけでも12兆円規模*1)や路線バス・タクシー業(同3兆円規模*2*3)をディスラプトするシナリオ。
国内だけでも市場規模15兆円なので、米国や世界で展開すれば、売上高としては莫大な規模(数十~100兆円レベル)になりそう。
(もっと言えば、自動運転でコストが下がり手軽にタクシーが使えるようになれば、都市部での近距離移動で電車のシェアを奪えるかもしれない。山手線使わずにロボットタクシーで直接目的地の玄関先まで行くとか)。
googleが市場シェアを10%とれば数兆円レベルの売上、もっと取れれば10兆円単位の売上が上がる計算になる。

ただ、利益率はどうなんだ?

運送業の純利益は高くても数%程度らしい*4。ただ、例えばヤマトのP/L見てみると、コストの半分くらいは人件費だ*5。自動運転が使えれば、ここはかなり削減できそう(失業問題につながりそうだが…)。
控えめに見て利益率10%でも数千億~数兆円、うまくすれば10兆円規模の利益を取れそうだ。

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自動運転が実現し、人がハンドルを握らなくてよくなったら、移動時間を何につかうか?
そりゃやっぱりネットが一定の割合を占めるだろう。東京で電車乗ってても半分くらいの人はスマホいじってるし。
ネットの接触時間が長くなれば、それだけメディアとしてのネットの価値、ひいてはgoogleの各種広告商品の価値が上がるという寸法です。

これはちょっと計算面倒だったのだが、売上高にして世界で1兆円規模、利益にして2~3千億円規模かなと思う。
やはり運輸のほうがでっかいね。

以下、算出方法。

USでの1日当りのインターネット利用時間

USの2013 Q4の統計で、スマホ+PCで2時間ちょいということか。*6

ちなみに日本だと2時間半弱と出ています。*7

自動運転でネット利用時間がどれだけ増えそうか

いつのデータか不明(2013年の数字?)。1日当り101分。結構運転してる!*8

この「1日当りの運転時間」、たぶん自動車持っている人の平均だと思うので、自動車普及率も見てみた。

USの全世帯の95%!米国民の85%が車で通勤!*9

世帯普及率85%といっても、言うても子供や老人など運転しない人はそこそこいるだろう。
また、自動運転になっても、移動時間をみんながずっとネットやってるわけじゃない。

それでも、ネットを使うアメリカ人の2/3が1日に101分車で移動し、その時間の1/3をネットすると仮定すると、一人当たりのネット利用時間が
101分×2/3×1/3 ≒ 22分
増える計算になる。約19%の増加だ。

で、売上高、純利益の可能性は

googleの2014年の売上が660億ドル(7兆9千億円くらい)なので、世界中でアメリカ並に自動運転化が進むとすると、単純計算するとgoogleへの恩恵は1兆5千億円程度となる。
国によってはアメリカ人ほど運転しないだろうが、それでも1兆円規模の効果はありそう。
googleの現状の純利益率が20%強(広告だけだともっといくか?)なので、純利益としては2~3千億円くらいか。