「機械との競争」読了
- 作者: エリクブリニョルフソン,アンドリューマカフィー
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2013/07/30
- メディア: Kindle版
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「技術革新の加速が人間の仕事を奪い格差を拡げている」という問題提起は、各種統計等による論拠も明確で説得力がある。
しかし、期待していた肝心の後半が駆け足だったのが残念。おそらく、著者らもまだ研究の途上ではあるのだろうが。
「イノベーションは、一時的には混乱をもたらすこともあるが、これまでもそうだったように、最終的には新たな雇用を生みだすはず。生産性向上で浮いた労働力を吸収するだけの新たなビジネスがイノベーションによりもたらされるだろう。」というのが著者らの主張だが、いささか楽観的ではないか?私は古代ローマの「パンとサーカス」が再現される可能性もあると思っている。生産性が究極まで向上すれば、人間の大多数が働かなくとも衣食住が足りるようになるかもしれない。(それはそれでよいのかもしれないが・・・)
著者も言っているように、未来予測は簡単ではないが、今後、「イノベーションにより、今後どれだけの雇用が生み出されるのか?」「イノベーションが期待されるのはどんな分野か?」といった点に関するより突っ込んだ研究を期待したい。